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浮かれる国民 [政治と経済]

 さあ、ゴールデンウィークが始まった。高速道路は一律1000円となり、とくに地方では民族の大移動が始まる気配。今年は不況で、比較的長い休みを許す企業もあって、国民はそれを意外と喜んでいるように見える。
 政治は大きく変化した。一時は政権交代確実なところまで追い詰めていた民主党が、小沢代表の献金問題から身動きとれない状態へ押し込まれた。まさにフリーズ状態だ。献金に関する法律を作り熟知している小沢はまさかこの様な形で攻められるとは思っていなかったようだ。それが彼にとって非常に悔しい思いを滲ませた記者会見となった。検察側は強引と思えるやりかたで秘書逮捕まで行ったが、ねずみ1匹しか出ないままで一歩引いてしまった。しかし、民主党のダメージは極めて大きい。野党は攻めてなんぼの政権戦略だから、身動きがとれないのが痛い。小沢が代表に残り、攻めに転じたとき、またいいタイミングで検察の第2弾がでてくるかしれない不安がある。その一手があるにしろないにしろ政権与党の手の内にある。いっぽう、小沢が辞任すると、現実の政治を知っている今の執行部が退陣することになり、理念先行の今までの民主党指導層では自民党の攻撃をかわせないだろう。どちらにしても民主党は劣勢挽回はできず、まさに今、これまでの勢いを失ってしまった。
 いっぽう、フリーズした民主党を尻目に、自党からの辞任要求もなくなった麻生首相には時間の余裕がたっぷりとなり、好きな外交を楽しみ、次々と民主党の打ち出していた政策をうまく先取りし彼らの武器を無力化している。もともと民主党と自民党の政策の本質は現体制の維持か再構築かの違いがある。これまでの自民党の官僚を中心とした中央集権的国家体制ではこれからの日本は豊かさや安全を維持できないと思うが、この維持のため自民党と官僚は一致団結して政策を打ち出している。民主党とよく似た政策でも、時限付きだったり制限が強すぎたりして、1年くらいをしのいで選挙で勝てばなんとかなるという政策だ。いまの制度を大きく変えていこうとする政策ではない。しかし、未曾有の大盤振る舞いによって、関係する政治家も、権限が確保できる官僚も、お金をもらえ、ポイントがもらえ、車に補助がもらえ、高速道路が安くなる国民も、景気のいい話と春の一番良い季節の中で議論を忘れたようだ。マスコミもまた第2弾を恐れて、これまでの民主党支持を止め議論も停止してしまっている。今では大盤振る舞いの公報役だ。
 色々言ってももう遅いが、大盤振る舞いのつけはすぐに国民が払わされる。今年の秋には体制が維持され、各種の税金が設定され持つものからも持たざるものからも吸い上げられ、中央集権的な体制の維持に使われるだろう。不況の第2段が日本を襲うときに、今春のゴールデンウィークの爽やかだった季節をうたかたの夢のように思い出すだろう。
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