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トヨタたたき [政治と経済]

トヨタの社長はアメリカの公聴会で謝罪して、その足で中国に飛んで説明をした.問題の対応は遅かったが、始めると自ら動いての反応は迅速で良かった.アメリカでは非難的であっても、中国では謝罪に戸惑いむしろ好感を持たれる可能性もあり、「災いを転じて福となす」という諺のようになることを期待したい.

 しかし、自動車のこの問題はトヨタ特有ではないはずだが、論理的な反駁は世界に向けて地道にしていくべきものである.アメリカだけを相手にしては術中にはめられることになる.技術的には最先端のプリウスのハイブリッド技術とトヨタの持つ世界的な高品質製造技術などを攻撃しているため、これは容易には収束しないだろう.手を変え品を変えて、相手を変えて攻撃が繰り返される.一方、多くのトヨタ車はアメリカ国内で生産されていてトヨタたたきが国内問題となる局面を持つ.各州のトヨタ工場の町からは、トヨタへの容赦ない攻撃に疑問をだす運動も起きている.アメリカ政府関係者によるトヨタの日本本部中枢への波状的な攻撃が続くと覚悟せねばならないが、これらの擁護派の運動にも充分配慮して対応すべきだ.公聴会の後豊田社長自らが、アメリカ国内の自動車工場を回って説明をしたことは大変良いことだった.

 似た事件がこれまでたくさんあった.かつての半導体問題では政府間で決着して、アメリカの半導体を一定量強制的に買うことが約束させられた.これによりアメリカはチップからソフトへの移行をスムーズに行い、半導体は復活して、その後台湾企業・韓国企業とアメリカの連携が日本を苦しめることになった.そういえば日本にはトロンというOSもあったが、排除の対象となり、いまではソフトは完全にアメリカ主導となっている.

 金融のグローバル化と称した金融の自由化が、多くの国民の資産をアメリカのハゲタカファンドに利用され大きな損失を被ることになった.郵政の民営化では巨大な日本の貯金資産が狙われていたが、今回の亀井大臣の郵政株の売却中止により阻止された.アメリカのマネー博打屋が先に崩壊したので、活動する余裕がなくなり再攻撃は遠のいている.

 車の暴走の原因ははっきりしていないのに、アメリカはここをチャンスと責め立てている.自動車産業で国力を損傷し、グローバル金融でも力を失ったアメリカは、その矛先をトヨタに向けたものと思われる.田中宇氏はブログで歴史的な見方を紹介している.かつてIT経済戦争で日立や東芝を追い込んでいったやり方、元々無かった大量破壊兵器の疑惑だけでイラクのフセインを死に追い込んだ方法、彼らの正義と称する要求(説明責任や、言動の真偽、態度の良悪、スキャンダルの有無、企業国家秘密内容の公開要求など)のエスカレートにより、丸裸にされ、企業機密の漏洩か、マスコミ操作による信用失墜か、裏取引による沈静化など、最終的には企業の力の衰退を引き起こすような落としどころ(政治取引)に陥らせる可能性があるので、しっかりと戦ってもらいたい.日本国民は日米のマスコミ報道に惑わせることなく背後から支援することが非常に重要である.


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